発達障害ライフ

発達障害当事者が体験や得た知識を書いていきます

発達障害と習熟の遅さ

 発達障害という名前のとおり、主に脳や精神的な発達・習熟が遅い点が当事者には多々見受けられます。仕事・恋愛・友情・勉強などのあらゆる物事においてそれが影響します。

 

 「高校生にもなって or 大学生にもなって or 大人なのに〇〇もできないのか」と言われたり、さまざまな物事を未経験・未学習のまま年齢だけが上がっていってしまった、などという例が当事者にはよくあります。
 心の成長も同様に遅いため実年齢より子供っぽい性格・考え方になりがちなせいで言動を悪く誤解される場合も多くあります。
 見た目や身体は年齢通りに成長しますが、心の成長速度の問題からか顔つきが童顔に見えやすいのも特徴です。

 

 健常者と違い、他人から言われなくても自然に学ぶことができない物事が多いうえに、実体験したものですら習熟が遅く、5年10年遅れてようやくできるようになる物事もあります。
 自分自身、思春期が来るのが10年近く健常者より遅れましたし、そのため多くのチャンスを無駄にしました。

 

 一般社会においては発達した完成形前提で扱われるので、当然ながら未発達の発達障害当事者は周囲との差で扱いが悪くなる場合が多いです。
 仕事でも恋愛でも、「この年齢でこんなこともできないの?わからないの?」と見られてしまいます。
 学生時代に必要レベルに至るほどの学習や習熟をできなかったのですから、当事者にとってはまだレベルを上げてる最中だったり、全くの未経験のままだったりするのです。しかし、とても理不尽ですが、社会も健常者もそれ前提では見てくれないのが現実です。

 

 なので、たとえ成人していても不足分を一緒に学習し成長を寛大に見てくれる相手や環境が必要だといえます。
 速度が年単位で遅いとはいえ、教えてもらえれば学習や習熟そのものはできますので、すぐに成果を求めるせっかちな人間とは相性が悪いです。
 本人は大抵の場合は必死に頑張っているし、単純な努力量だけ見たら健常者の数倍を頑張っていることも珍しくありません。
 ただ、結果が成功に至ることが少ないため、努力が伝わりにくい・理解されにくいから努力をしていないと悪く誤解されやすいのです。

 

 たとえやることなすこと上手くいかなくても必死に頑張っていて、健常者の何倍もの努力をして追いつこうとしている。そんな当事者達の努力を結果だけ見ず過程を認めてあげてほしい、と切実に思います。

仕事のマナーや話し方で悩んだ時に参考になる本

 

 

 

  

今回は仕事の場面や日常の場面でどのように振舞えばいいのかわからなくて悩んでしまっているときに参考になる本を紹介します。

 

「お仕事とマナーのコツ」は、あいさつのしかたから出社と退社のルール、指示の出し方、上司や後輩との接し方までかわいくわかりやすいイラストを使って図解されています。

まだ仕事を始めたばかりの人にも役に立ちますし、ある程度仕事をしている年月が長い人でもこの本を読むことで得られるものがあるでしょう。

仕事をするときは定型の健常者と接する機会も多いでしょう。そのときにこのような定型向けの本を読んでおくと定型の人との仕事がやりやすくなると思います。

 

「話し方のマナーとコツ」はお礼やあいさつのしかたから相談度とをしたいときや失敗してしまったときなど、日常でよくある場面でどのように振舞えばいいかがこちらもかわいやすくわかりやすいイラストを使って図解されています。

定型の人は会話でもマナーを重視する傾向があるので、この本でマナーとそのコツを学んでおけば定型の人とうまく接することができるようになるでしょう。

 

アスペルガー障害を深く理解したいときにオススメの本

 
 
アスペルガー障害とはどのような障害なのか、どのような特性があるのか、障害によってどんな不適応を起こしてしまうのかその種類とその対応策と、アスペルガー障害者をどうやって支援していくのかについて章ごとに分けて詳しく書かれている本です。
 
アスペルガー障害について何か1つ詳しく書かれた本が読みたい場合この本をまず読むことをオススメします。具体例も交えて解説されているのでわかりやすいです。
 
アスペルガー障害について知りたい当事者にもその周囲の人にもどちらにもオススメできます。
 
以下にどのような章があるのかを目次から引用しておきます。
 
第一章:「アスペルガー者」とはどんな人たちなのか
第二章:アスペルガー障害の本質
第三章:さまざまな症状とそれが生じる理由
第四章:個人差と環境における適応の違い
第五章:さまざまな不適応とその対策
第六章:アスペルガー者をどう支援するのか
第七章:アスペルガー障害を生きのびるということ
 

就活をする発達障害の人にオススメの本

 
 
 
私、相田コナが大学4年生の就活の時に読んで参考になった本を紹介します。
 
発達障害の人の就活ノート」は、アスペルガー症候群ADHD学習障害高機能自閉症などの発達障害の人たちに向けて書かれた就活ガイドです。障害者専門の人材紹介コンサルタントをしているその道のプロの人が書いています。社会人の人が読んでも役に立ちますが、特に高校や大学でこれから就活する人はこの本が大いに役立つでしょう。
 
就活の心構えから、障害者手帳とその取得の仕方、障害者雇用という選択肢の紹介と人材紹介会社やハローワークの利用の仕方、仕事と会社の選び方、さらに、働き始めてからのポイントが具体例も交えながらわかりやすく解説されています。
 
私は大学4年生の春の時にこの本を読みました。この本で障害者手帳を取得し障害者雇用で働くという選択肢もあることを知り、障害者雇用で地元の企業に契約社員として採用されました。この本がなかったら障害者雇用という手段を知らずに一般雇用でやっていこうと思いチャレンジしてもうまくいかずに悩むことになっていたでしょう。
 
就活で悩んでいる大学生の発達障害の人はこの本を一度読んでみて参考にするのがオススメです。
 
  
 
今は改定された完全版が出ているので買うときはこちらを選んだ方がいいでしょう。
 

発達障害・メンタルヘルスについてのわかりやすいサイトの紹介

 発達障害メンタルヘルスに関する情報を知りたくて、例えば「発達障害」で検索すると色々なサイトが出てくると思います。たくさんありすぎて「わかりにくい……」や「これは正確な情報なのだろうか……?」と戸惑う場合もあるでしょう。

 

 その場合、ドメインが「go.jp」のサイトは政府機関や国の独立行政法人のサイトなので、発達障害に関する正確かつ確実な情報を知ることができます。それら中からオススメのサイトをいくつかを紹介します。

 

www.rehab.go.jp 国立障害者リハビリテーションセンターが運営する発達障害の情報に関するサイトです。

 発達障害とはどのような障害なのか、どのような支援制度があるのかわかりやすく解説されています。

 県別に発達障害の相談窓口を紹介しているページもあるので、実際に相談したいけどどこにいけばいいのかわからない場合も役に立つでしょう。

 

https://www.mhlw.go.jp/kokoro/

 厚生労働省が運営するメンタルヘルスに関する解説や情報の総合サイトです。発達障害だけでなく他の精神疾患に関する情報も掲載されています。

 発達障害の方は二次障害でうつ病適応障害になることも多いのでそれらについて知りたいときにもこのサイトは役に立つでしょう。

 

https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/

 厚生労働省が運営するメンタルヘルスに関するサイトです。このサイトは学生や若者向けに特化してあります。

 メンタルヘルスに関する、若者でもわかりやすい解説や困ったときの相談先などの内容が掲載されています。

 

www.gov-online.go.jp 政府が運営する発達障害についての解説サイトです。わかりやすい言葉やイラスト、当事者の例を組み合わせて解説しているので、発達障害のことを身近な人に知ってもらいたいときにこのサイトを見せればより理解が進むと思います。

 

発達障害当事者の就労体験談

 僕、北田シンの就労の体験談を書いていきます。成功例をあまり体験していないので、反面教師及び当事者の方々が就労の際にどのように工夫・改善してみたらよいのか考える参考にしてくだい。


発達障害無自覚時代(学生バイト~成人後数年))

 僕は元々根が真面目で、勉強においても仕事においても手を抜かず遅刻・無断欠勤などもしないタイプであり、指示された内容通りに仕事を行い、挨拶や報告・連絡・相談もきっちり行っていました。

 友好的な人や慣れた相手でないと自分から話しかけるのが苦手なため、上記のような最低限の言葉のやりとり以外は業務に関係のない会話は自分からすることは少なかったです。
 上司・同僚の方から話しかけられた場合はその内容に一通り答え、無視したり無愛想な答え方はしないで敬語で無難な応答をしていた覚えがあります。

 

 ところが最初は優しかった上司・同僚達の言動が時が経つにつれてだんだんとキツイ態度や言い方に変化していきました。何故なのか理由が全くわからず、単に性格の悪い人達に当たってしまった、運が無いなと理不尽に感じていました。

 今思い返せば、おそらく発達障害特有のトロさ、覚えの悪さ、指示された内容の理解不足、で迷惑がかかり、必要以上のコミュニケーションをとれなかったことで人情的な補正もかからず味方してくれる人もできなかったのだろうと思います。


 そのようなわけで、様々なバイトをしましたがどのバイトも1週間~2ヶ月ほどでクビにされてしまいました。専門学校を卒業した後に就職したデジタル系の会社でも、「もう明日から来なくていい」と言われてしまいました。

 

 真面目に一生懸命仕事しているはずなのに、やる仕事は全部クビにされる。


 原因のわからぬまま自信を失い、心が折れ、20代前半で引きこもりになってしまったのです。


発達障害診断後

 2年の引きこもりの間に発達障害の診断を受け、主治医や行政機関・支援施設からの助言を元に自分のできる範囲で行動を工夫・改善し、父親のツテもあって運よく社会復帰しました。


 自力での社会復帰は難しく、書類選考で引きこもりの期間の空白を悪くとられてしまうことや面接での応答の失敗により何社も落とされていたので、もし父親が何もツテを持っていなかったら社会復帰できなかった可能性もあると思います。

 

 社会復帰はできましたが、障害と空白期間という負の要因を二つも抱えているため、正社員にしてもらえず給料の安い仕事しか選択肢がありませんでした。
 アスペルガーの特性のため、健常者の男性より体力と腕力がまともに伸びず、肉体労働は適性がなく、得意であった数学・理科・パソコンのどれかのスキルで仕事するしかありませんでした。


 事務職は基本的に管理者やレベルの高いスキルを持ってる人以外は男性を採用したがらない会社が多いので、本来自分の席が無かった郵便局の事務職への配置に話をつけてくれた父親には本当に感謝しています。

 

 安い給料でパートでも無職のままでいるよりははるかに良いので、事務職を継続しますが、やはり先の事を考えると正社員での仕事でないと色々と問題があると感じたので、郵便局で仕事をしながら正社員での募集を探し、無事見つかったので履歴書を送り、採用されて転職が決まりました。

 

 正社員待遇で転職できて喜んだのものの、しかし待っていたのは正社員とは名ばかりの待遇でした。


 最初は将来性があるような説明をされていたのに、いざ就労を継続していくと、1年働いても給料の手取りが300円しか上がらないという最低待遇(時給に換算すると2円)。
 2年目、3年目も同じだったので、最初から障害者は昇進昇給させる気が無く、まともに使う気がなかったのだと感じました。国の方針で最低限障害者を雇わなければ罰則があるので、給料は安くてもとにかく雇い続けてさえいればいいというスタンスです。
 実際、多くの発達障害当事者から話を聞くと、障害者雇用発達障害者に対してこのような扱いをする会社はかなり多いです。

 

 たしかに自分はお世辞にも健常者ほど仕事ができるとは言えません。
 得意分野だけなら2~3人分の処理速度がありますが、能力の適用範囲が狭すぎて限定的にしか役に立たず、ミスの多さや指示の理解不足など発達障害の特性を踏まえると長所を相殺して総合的にはマイナスになってしまうのです。


 結局、上司・同僚からもだんだんと疎まれ、イジメを受け、1ヶ月の休職の後に辞めることになりました。

 再び仕事探しをしなければならなくなったものの、これまでの仕事がクビだらけで、自尊心は最低レベルまで落ち込んでいました。どんな仕事をしてもクビにされず昇進昇給を見込めてやっていける自信なかったのです。
 やってきた仕事の中で、唯一クビにならなかった郵便局に出戻りするしかありませんでした。
 1度までなら出戻りも寛大に受け入れてくれるとのことで、なんとか郵便局の事務仕事に復帰しました。評価ランクをAまで上げれば正社員になれると父から聞いたので、それを目指してがんばることになります。

 

 しかし、真面目に仕事をしても最低ランクの評価Cから上げてもらえないまま3年が過ぎました。
 障害者枠としての採用で、障害の特性的に電話対応が困難なためそれを免除してもらう代わりに他の業務を多く担当するという条件での雇用だったのですが、この電話対応ができないということが最低評価のままという理由でした。
 障害的にどうしようもないので上司と話し合うも平行線のまま交渉は決裂。昇進の希望が潰えたかに見えました。
 幸いなことに、1~2年ごとに上司が転勤で入れ替わるので、上司のやり方次第で評価の基準もいくらか変わります。
 4年目のときに入れ替わりで来た上司がやっと話を聞き入れてくれてランクをBに上げてくれました。
 その後は上司が代わる度にランクを上げてもらえなかったり上げてもらえたりの変動の連続でした。

 

 努力のかいもあり、なんとか正社員の条件であるAにだどりつきましたが、今度は正社員のための試験の条件が難関でした。
 同時に何人もの健常者社員が試験を受け、彼らに「通常時の仕事の出来」と「試験の点数」を両方勝たねばならず、更に面接で偉い方々からOKをもらって初めて正社員になれるというものでした。


 しかも、会社側は事務職や障害者ではなく、体力と営業力(コミュニケーション能力)のある配達の社員を昇進昇給させたがっていました。
 当然ながら全ての条件が自分にとっては逆風となってしまい、試験を受けるたびに落とされを繰り返すことになります。
 ランクは上がりましたが、電話対応のぶんのマイナス扱いは依然としてあり、それが通常時の仕事の出来の評価にも関わっていました。
 アソシエイト社員という、パートと正社員の中間点のような扱いにはなれたましたが、これ以上の昇進昇給はもう無いため、先を考えたらこのまま正社員になれないのは明らかです。

 

 これまでの自分の頑張りは何だったのだろうと思います。


 かといって、20代半ば頃と違って今更転職しようにもこれまで体験してきたクビ案件の問題に加え、年齢が30を超えると一つ採用のボーダーラインが難易度上昇します。
 あまりにも見込みの無い条件ばかりが重なっており、ヘタすると転職先の方が今よりも条件が悪くなる可能性すらあります。
 起業や副業をしようにも、それらに詳しい支援者も人脈もなく、経験も能力も頭も足りない。

 

 結局、どうにもならず未来への見込みのないまま方法を模索しているのが現状です。

自立支援医療について

発達障害の方で、継続的に精神科へ通院し薬の投薬治療を受けている方や、デイケアへ通っている方は自立支援医療制度を利用できる場合があります。


この制度は継続的に精神科治療を受けている方たちの負担を減らすための制度です。通常、病院にかかる通院費や薬代は医療保険により3割負担となっていますが、この制度の適用となると1割の自己負担で済むようになります。


さらに、自己負担額には上限があり、たとえば無職で収入のない方は月2500円の負担だけで通院できるようになります。詳しくは厚生労働省のサイトの「4 利用者負担」をご覧ください。

www.mhlw.go.jp

 

次に、具体的にどのように自立支援医療の手続きをすればいいのか私の例で説明します。

細かい部分は各自治体により多少の違いはありますが、大まかな流れを説明します。

 

1.通っている病院で自立支援医療のための診断書をもらう
自立支援医療を受けたいのですが、診断書を書いてもらえないでしょうか?」とお医者さんに言えばたいていの場合は書いてもらえると思います。診断書は受診料とは別に診断書代を請求されます。

 

2.自治体のHPを見て必要なものを確認する
「〇〇市 自立支援医療」で検索すると自治体が自立支援医療について説明しているHPが出てきます。

自立支援医療を受けるためにはどのような書類を市役所に持っていけばいいのか確認しましょう。


3.市役所に行き手続きをする
市役所の障害福祉課の窓口に行き「自立支援医療の申し込みをしたいのですが」と言えば窓口の人がどうやって手続きを進めればいいのか教えてくれます。それに従って手続きを進めていきましょう。

 

4.自立支援医療受給者証が届く
1~2ヶ月後に自立支援医療受給者証が届きます。今度の通院からはその受給者証を持っていきましょう。これで自立支援医療を受けることができるようになります。

 

・注意事項
自立支援医療の有効期限は1年間です。有効期限が終了する3か月前から再認定の申請が行えるので有効期限が近付いてきたらまた市役所に行って手続きを行いましょう。

発達障害診断のための資料

パソコンのフォルダを漁っていたら、発達障害の診断のときに主治医に提出した資料が出てきました。

診断のための判断基準の一つとしてこういった「発達障害の特性と思わしき体験談」を書き出して印刷して病院などに持っていくと診断の正確さが上がると思います。

 

以下↓、資料の文章そのまま掲載します。

 

赤ん坊時期

・寝るときに別の部屋から声や音が聞こえると寝れず泣き出す。
・線路付近で電車が通るのを延々と見続けるのが好きだった。

 

幼稚園時期

・線路付近で電車が通るのを延々と見続けるのが好きだった。
・クラス(組)替えをした後は見知らぬ相手が多く先生の力を借りないと馴染めない。
・集団での作業や運動会などの行事で、自分だけが皆と離れて違うことをしている。
・卒園式のときに卒園のための賞状を受け取る際に自分だけが変なポーズをとる。
・漬物やトマトなどの味の濃い野菜が苦手。

 

小学生時期

・授業中も休み時間も他の時間もひたすら絵を描いていたのでよく怒られた。
・テレビゲームをやると何時間もずっとやり続けるのでプレイ時間を規制された。
・友達と馴染めず、独自のこだわりが原因で衝突してよくケンカをした。
 その際にキレて消火器や画鋲、かみつきなどで相手を攻撃することがあった。
 ケンカ相手は男でも女でも年下でも年上でも関係なく同じようにケンカした。
・学校では、割り算が全く理解できず、親に1対1で教わってやっと理解できた。
・漢字テストの成績はすこぶる悪い。漢字に興味関心がなかった。
・珠算を習いはじめるが、足が痺れるのが嫌で正座を頑なに拒否し、先生も諦めた。
・注射が大嫌いで、必要以上に恐怖した。
・集団での作業は指示されないと何もできない。
・体格には恵まれているはずなのに運動能力が低い。動作全般が鈍い。
・相手に対して思ったことをそのまま口に出したり文章に書いたりして
 それがその相手の逆鱗に触れて怒られた。(父親や友人)。
・漫画・ゲーム攻略本や図鑑などの内容を丸暗記するのが得意。
・習字をやっているのに字がヘタクソで、よく親にからかわれた。
・夜、情緒不安定になって眠れないことが多かった。

 

中学生時期

・授業中も休み時間も他の時間もひたすら絵を描いていたのでよく怒られた。
・クラスでは周囲に馴染めなかった。不良のイジメの対象にもされた。
 数人の友人はいたが、いざというときに助けてくれなかった。
 教師とも合わず、英語教師と不仲になったために英語への意欲もなくした。
・珠算の塾をなによりも優先し、学校が終わったら真っ先に家に帰った。
 部活もほとんど出なかった。
・珠算を長く習っていたおかげで計算は得意になったが
 図形や文章問題は全然できなかった。
・体格には恵まれているはずなのに運動能力が学年一低い。動作全般が鈍い。
・集団での作業は指示されないと何もできない。
・注射が大嫌いで、必要以上に恐怖した。
・衣服を反対に着てしまったりズボンのチャックが開けっぱなしなことに
 気がつかないことが時々あった。
・社会教師に皮肉を言われたが、それが皮肉であることがわかっていなかった。
・授業で理解できないものが多く、成績は美術と数学以外は低い。
・弁解が下手なので周囲から言い訳がましいとレッテルを貼られる。
・弟が犬を飼いはじめる。真面目に世話をしないので犬吠え放題。
 吠え声がきつくてノイローゼになりそうになる。

 

高校生時期

・通学途中にトラックが多く、廃棄ガスがつらくて朝の授業は体調悪かった。
 下痢になることも多い。
・クラスでは周囲に馴染めなかった。不良にちょっかい出されることもあった。
 物の貸し借りや勉強を教わるという名目で周囲が寄ってくることはあったが、
 利用されるだけされた後はまた孤立した。
・よく話す友達ができたが、オタクが多かった。
・努力して体育以外の成績はクラスでもトップ近くまで伸びたが、
 それでも独自では理解できない授業が多々あり、それの成績は低かった。
 体格には恵まれているはずなのに運動能力が低い。動作全般が鈍い。
・高校3年になったときに仲の良かった友人とクラスが別になってしまい、
 学校へ行く楽しみが薄れたときから勉学への意欲もなくなり成績も落ちた。
・長年習っていた珠算が己の不器用さ故にあるところから伸びなくなり、
 限界を感じて高校卒業と同時に珠算塾をやめた。
・集団での作業は指示されないと何もできない。
・清掃作業では必要以上に真面目だったので教師から褒められた。
・色々な説明を聞いていて自分だけが理解できないことがよくあった。
 また、時間が飛ぶように感じることもこの頃から自覚するようになる。
・郵便局の配達のアルバイトをするが、あちこちの配達先にいる犬の吠え声がきつくて
 耐え難いものだったので、卒業の年は応募しなかった。
・車の免許をとるのに苦戦し、普通の人の数倍も期間がかかってしまった。
・習字の時間に筆で書いた字が上手いと周囲に褒められる。
 しかし鉛筆で書く字は相変わらず汚い。
・簡単な資格はいくつかとるが、日商簿記のように読解力などが必要なものは
 努力してもとれなかった。
・公務員試験の過去問題内容を見て、自分ではとても理解できないと諦める。
・インターネットでチャットに夢中になり、気がつくと明け方になっていることがあった。
・弟の犬が相変わらずうるさいのでぶち切れて犬を虐待してしまう。
 このままでは殺してしまうところだったので、祖父の知り合いに犬を預ける。
・弟が深夜によく歌番組を見ている。その音と部屋の光のせいで眠れない。

 

就職~アルバイト~専門学校時期

・会社で上司から作業手順を説明されるが、理解力不足で怒られる。
・動作が鈍いことで上司から嫌味を言われる。
・タバコの臭いがダメなので、喫煙する人間とは距離を置く。
・会社へ自転車で通う途中に車にはねられる。入院をすすめられたが、
 テレビゲームをやりたいがために入院を拒否してしまう。
・会社をやめたあと、色々なアルバイトをはじめるが理解力不足や動作の鈍さから
 どれも二ヶ月以内にことごとく一方的に首にされる。
 どの仕事場でも上司や同僚とも仲良くなれたことはなく、孤立しがちだった。
・おおいに心が傷つき、死んでしまいたいと考える。
・アルバイトでためた入学費で専門学校に入学するが、やはり馴染めない。
・卒業までにはなんとか数人の友人ができた。
・授業内容が理解できないことが多い。
・集団での作業は指示されないと何もできない。
・ゲーム製作の授業でリーダーをやってみるが、メンバーをまとめることができずに
 グダグダなまま終わる。
・卒業制作のためのメンバーを集めることができず、
 情けで他の制作チームに入れてもらう。
・新宿付近の地下鉄の改札で切符の特殊な扱いの場所があり、それを理解できなかった。
・就職のために企画書を書くが、文章をわかりやすくまとめるのが下手なので
 まともな企画書が書けない。
三国志に興味を持ち、武将の名前や出来事を自然に暗記する。
・同じテレビゲームを何度もやり直したり同じ漫画を何度も読み直すことがある。
・パソコンをやっているときに時間の感覚がなくなり、雨戸を閉め忘れるので
 親や弟にしょっちゅう怒られた。洗濯物をしまい忘れることも多かった。
・弟が深夜によく歌番組を見ている。その音と部屋の光のせいで眠れない。

 

専門学校卒業後~24歳まで 時期

・念願のゲーム会社へアルバイトとして潜りこむが、いつもの理由で首にされる。
・激しく傷つき、自殺未遂1回目。その後引きこもる。
・インターネットで掲示板に書き込みした際に、空気読めていないと数人から言われる。
プログラマーを目指してゲームプログラムを学ぼうと考えるが、
 ベクトルや微分積分を高校で習っていないために無理であることがわかる。
・父親のすすめで郵便局で内務のアルバイトをやってみるが、
 機械操作の説明を理解できずにハガキを多数ダメにしてしまい、
 かなり凹んで自殺未遂2回目。
・死にたいとよく口にするが、苦しいことや痛いことが大嫌いなので
 痛くも苦しくもない方法で死にたいという独自のこだわりだけは曲げない。
・自身ののダメさ加減に真ん中の弟がついにぶち切れて激しい口論になる。
 それ以降、互いにこれ以上衝突しないためにも会話らしい会話をしなくなる。
・自尊心がボロボロ。無気力かつ自暴自棄な状態で引きこもる。
 精神状態が不安定で、下手に刺激を受けると殺人もしかねない状態だった。
・インターネットの掲示板で、文章が長すぎるから 短くまとめろと周囲から度々言われる。
・祖父の畑仕事を手伝っているとき、もうすこし機敏に動けと度々言われる(幼少のころからずっと言われている)。
・母親に、「何故お前は昔から質問に対して即答できないのか」
 「何故お前は昔から会話の際に(無意識に)目をそらすのか」と言われる。
・母親が悩みを話してきたときに、こちらの返答に対して
 「何故お前は昔から傷つくようなことを平気で言うのか」と言われる。
・インターネットで自分の症状を調べてADHDではないかという疑問を持ち、
 診断をしてもらうために見つけた〇〇メンタルクリニックへ行く。
・朝のゴミ捨てに行く際に車の廃棄ガスがとてもつらい。頭が痛くなり吐き気もする。
・弟や親が深夜によく歌番組やサッカーを見ている。その音と部屋の光のせいで眠れない。
・時々、激しい自己嫌悪に襲われて突発的に死にたくなる。
・気分の上下が激しい。やたらハイテンションになったり、無口で大人しくなったり。
・何かをやる意欲が全くわかなくなることがある。一日何もせずに過ごすことも。
・昔にくらべてかなりキレやすくなった。他人を攻撃するのではなく機会あらば死にたがる。
・個人でゲーム製作をしているが、アイディアの断片をまとめることができず、作業が進まない。
・パソコンを操作しているときにやたらミスをする。タイプミスや操作ミスが多い。
・保健所や障害者センターなど、
 あちこちたらいまわしにされても状況の進展を感じないため心が折れる寸前。

 

発達障害とは生まれつきの障害であるため、医師による発達障害の診断では自身の成育歴の提出が求められることがあります。幼児のころから今までに至るまでの成育歴を詳細に書き出すと診断の精度も上がるでしょう。幼児のころの記憶をあまり覚えていない場合は親など自分の幼いころを知っている人に聞いてみるといいでしょう。場合によっては、医師が直接親と過去のエピソードについて対話したいと求められる場合もあります。

 

発達障害当事者の勉強や学習について

発達障害当事者は物事の学習の仕方や解釈の仕方が独特です。


特にアスペルガーの場合はその傾向が強く、自分自身もそうでした。

 

学生時代、勉強をするうえで習った項目の説明に納得がいかないと、納得いくまで足踏み状態になってしまい、先に進むことができませんでした。
""何がどのような原理で何故そのような結果になるのか""を、たとえ話のような具体的な何かに置き換えた例を挙げて、本人が理解と納得のできるような形に説明してもらうことでつまづきをなくすことができます。

 

健常者と違い、「直接教えていない部分や言葉にしなかった部分」を察したり自然に覚えたりする能力に欠けるため、応用問題や変化球にも弱く、健常者と一緒の場で健常者と同じレベルの学習を維持していくのは難しいと感じました。
結局、学校の先生の教え方では覚えられず、相性の良い教え方のできる家庭教師を探してマンツーマンで苦手項目を教わったのを覚えています。家庭教師のほかに、個人指導で手厚く教えてくれる塾などを利用する手もあります。

 

ADHDの場合、物事を覚えること(一時記憶)自体はアスペルガーより早いものの、物事の忘れやすさや理解しきれていないことが多々あるので、何度も根気強く繰り返し教えてもらったり、忘れる度に聞いたりして知識が定着するまでけっこうな回数を重ねるのが現実的です。
ADHDの方に健常者と同じ感覚で教えてると、覚えの悪さに教える側がきっとイライラしてしまうので、ADHDの学習は健常者とは違うものだということを常に頭において教えられる人が必要です。

 

社会に出ると、学生と違って教える側も時間をかけて教える余裕がなくなり、学生時代より更に健常者のような「察すること」や「自然に覚える」ことを要求されます。
学生時代になんとか進級や卒業ができたものの社会に出て挫折する当事者が多いのもこれが理由の一つです。

 

そのようなわけで、特性に配慮のある障害者枠での就労が望ましいのですが、たとえ障害者枠であっても発達障害当事者向けの教え方ができる会社はあまりありません。
また、当事者本人も他人からどういう教え方をされれば理解できるのかを把握していないケースが多々あり、まずは己を知り、他人に「どういう教わり方なら覚えやすいか」を説明できるようにしたいところですね。

 

ADHDの忘れやすさや理解の遅さ、誤理解によるミスも社会では学生時代以上に悪くとられやすいので、これも根気よく教えることができる指導役が要ります。本人側も常にメモや覚えたことの確認ができる物を持ち歩いて、困ったらすぐチェックしたり聞いたりできる環境に置くことで、ある程度カバーできます。

 

勉強や仕事だけでなく、生活の中でもこれらは該当するので、親や恋人、配偶者などと暮らす場合、家事や家庭でのルールについて、この「発達障害当事者向けの学習特徴」を相手に伝えておきましょう。障害の特性によるトラブルをできるだけ抑えるコツです。

 

発達障害当事者の人間関係について

コミュニケーション力や様々な特性の問題から、家族・友人・恋人・学校・社会など全ての人間関係で苦労するのですが、当然ながら多くの人間は発達障害がどういうものなのか詳しくないですし、理解できる人や理解しようとしてくれる人も限られてきます。

 

そのため、当事者は自身で工夫や改善を試みるしかないわけですが、
それでも中々に上手くいかない現実があります。

 

 

前の記事でコミュニケーションの項目にて工夫や改善のことは書きましたが、可能な限り試行錯誤しても当事者個人でできる工夫改善の努力には限界があり、やはり一番は理解ある人と一緒に生きることが安心です。


福祉関係の人や、発達障害のコミュニティの関係者なら理解ある人も多めですし、知り合いに発達障害を打ち明けても嫌わないでいてくれそうな人がいれば話してみるのも手です。

 

 

孤独を好むアスペルガーの特性が強かったり、望まずして孤立して一人で生きることになる人もいます。


しかし、発達障害の特性を抱えたまま、支えてくれる人がいない状態で一人で生きるのは、常人とは比べ物にならないほどかなり大変な生き方になりますし、茨の道を覚悟しましょう。

 

 

そのようなわけで、せめて一人は信頼し合える友人かパートナーか家族が欲しい所ですが、同じ障害を持つ者でないと理解が難しい特性が多くあるため、健常者相手だとカサンドラになりやすく、同類同士の場合はお互いが障害の事をちゃんと把握していないとぶつかり合いになってしまいますので、理論上は「自身の発達障害をよく理解している当事者同士」で性格の合う人が相性は良いです。


健常者でも、寛大で聞く耳を持ち、理解ある優しい人ならば支えになりうるでしょう。

 

発達障害者専用の婚活サイトもあるので、それを利用してみるのも手でしょう。

発達障害の方のための婚活・恋活サイト「マリネ」

 

 

プライベートはそのような深く狭くの理解者が最低一人いればだいぶ助かるのですが、学校や会社などの外部ではそうはいきません。
現場での偉い権限を持つ人やリーダー格の人が発達障害に理解ある人なら良いのですが、案外そういう人は少ないもので、厳しい現実があります。


障害者就労支援センターに依頼してジョブコーチをつけてもらったり、福祉の支援の人に仲介に入ってもらったり、どうしても対人がうまくいかなければ、経営を勉強して起業を目指したり在宅ワークを考えてみるのもありです。


もしくは就労継続支援A型の事業所で働くというのも選択肢としてあります。地域の障害者就労支援センターやハローワークで相談するとどの事業所でどんなことを具体的にやっているのか詳細を教えてもらえます。一般就労よりも時間が短く、障害の程度に合わせた業務をもらえます。最低賃金が保証されており、1ヶ月で7万円ほどの収入になります。

 

 

尚、地域によっては発達障害当事者同士の交流の場や店がありますので、抵抗がなければ積極的に参加してみるのをオススメします。


東京ならば、Neccoカフェやブラッツなどの発達障害当事者のためのお店があります。関西の方面にも似た趣旨のお店がありますし、当事者の会社すらあります。


また、mixiなどでは当事者同士の情報交換のためのオフ会もありますので、グーグルなどで検索してみると良いでしょう。


ツイッターハッシュタグ( # ←コレ)で #発達障害 で検索し、当事者同士での繋がりを作って情報交換したり友達になるのも良いです。

 

 

コミュニケーションが苦手な発達障害にとって、待っているだけでは人間関係はできません。
可能な範囲でこうした行動をして自ら人の繋がりを求めないと、どんどん孤立してしまうのです。
話しかけるのが苦手でも、SNSでプロフに発達障害のことを書いておけば、話しかけるのが好きなタイプの当事者が声をかけてくれることもあるので、そういった形での発信をすることも有効です。

 

 

願わくば、当事者の方がそれぞれ一人ぼっちにならないよう
少しでも救われる人間関係を築けることを望みます。