発達障害ライフ

発達障害当事者が体験や得た知識を書いていきます

発達障害と習熟の遅さ

 発達障害という名前のとおり、主に脳や精神的な発達・習熟が遅い点が当事者には多々見受けられます。仕事・恋愛・友情・勉強などのあらゆる物事においてそれが影響します。

 

 「高校生にもなって or 大学生にもなって or 大人なのに〇〇もできないのか」と言われたり、さまざまな物事を未経験・未学習のまま年齢だけが上がっていってしまった、などという例が当事者にはよくあります。
 心の成長も同様に遅いため実年齢より子供っぽい性格・考え方になりがちなせいで言動を悪く誤解される場合も多くあります。
 見た目や身体は年齢通りに成長しますが、心の成長速度の問題からか顔つきが童顔に見えやすいのも特徴です。

 

 健常者と違い、他人から言われなくても自然に学ぶことができない物事が多いうえに、実体験したものですら習熟が遅く、5年10年遅れてようやくできるようになる物事もあります。
 自分自身、思春期が来るのが10年近く健常者より遅れましたし、そのため多くのチャンスを無駄にしました。

 

 一般社会においては発達した完成形前提で扱われるので、当然ながら未発達の発達障害当事者は周囲との差で扱いが悪くなる場合が多いです。
 仕事でも恋愛でも、「この年齢でこんなこともできないの?わからないの?」と見られてしまいます。
 学生時代に必要レベルに至るほどの学習や習熟をできなかったのですから、当事者にとってはまだレベルを上げてる最中だったり、全くの未経験のままだったりするのです。しかし、とても理不尽ですが、社会も健常者もそれ前提では見てくれないのが現実です。

 

 なので、たとえ成人していても不足分を一緒に学習し成長を寛大に見てくれる相手や環境が必要だといえます。
 速度が年単位で遅いとはいえ、教えてもらえれば学習や習熟そのものはできますので、すぐに成果を求めるせっかちな人間とは相性が悪いです。
 本人は大抵の場合は必死に頑張っているし、単純な努力量だけ見たら健常者の数倍を頑張っていることも珍しくありません。
 ただ、結果が成功に至ることが少ないため、努力が伝わりにくい・理解されにくいから努力をしていないと悪く誤解されやすいのです。

 

 たとえやることなすこと上手くいかなくても必死に頑張っていて、健常者の何倍もの努力をして追いつこうとしている。そんな当事者達の努力を結果だけ見ず過程を認めてあげてほしい、と切実に思います。