発達障害ライフ

発達障害当事者が体験や得た知識を書いていきます

発達障害当事者の勉強や学習について

発達障害当事者は物事の学習の仕方や解釈の仕方が独特です。


特にアスペルガーの場合はその傾向が強く、自分自身もそうでした。

 

学生時代、勉強をするうえで習った項目の説明に納得がいかないと、納得いくまで足踏み状態になってしまい、先に進むことができませんでした。
""何がどのような原理で何故そのような結果になるのか""を、たとえ話のような具体的な何かに置き換えた例を挙げて、本人が理解と納得のできるような形に説明してもらうことでつまづきをなくすことができます。

 

健常者と違い、「直接教えていない部分や言葉にしなかった部分」を察したり自然に覚えたりする能力に欠けるため、応用問題や変化球にも弱く、健常者と一緒の場で健常者と同じレベルの学習を維持していくのは難しいと感じました。
結局、学校の先生の教え方では覚えられず、相性の良い教え方のできる家庭教師を探してマンツーマンで苦手項目を教わったのを覚えています。家庭教師のほかに、個人指導で手厚く教えてくれる塾などを利用する手もあります。

 

ADHDの場合、物事を覚えること(一時記憶)自体はアスペルガーより早いものの、物事の忘れやすさや理解しきれていないことが多々あるので、何度も根気強く繰り返し教えてもらったり、忘れる度に聞いたりして知識が定着するまでけっこうな回数を重ねるのが現実的です。
ADHDの方に健常者と同じ感覚で教えてると、覚えの悪さに教える側がきっとイライラしてしまうので、ADHDの学習は健常者とは違うものだということを常に頭において教えられる人が必要です。

 

社会に出ると、学生と違って教える側も時間をかけて教える余裕がなくなり、学生時代より更に健常者のような「察すること」や「自然に覚える」ことを要求されます。
学生時代になんとか進級や卒業ができたものの社会に出て挫折する当事者が多いのもこれが理由の一つです。

 

そのようなわけで、特性に配慮のある障害者枠での就労が望ましいのですが、たとえ障害者枠であっても発達障害当事者向けの教え方ができる会社はあまりありません。
また、当事者本人も他人からどういう教え方をされれば理解できるのかを把握していないケースが多々あり、まずは己を知り、他人に「どういう教わり方なら覚えやすいか」を説明できるようにしたいところですね。

 

ADHDの忘れやすさや理解の遅さ、誤理解によるミスも社会では学生時代以上に悪くとられやすいので、これも根気よく教えることができる指導役が要ります。本人側も常にメモや覚えたことの確認ができる物を持ち歩いて、困ったらすぐチェックしたり聞いたりできる環境に置くことで、ある程度カバーできます。

 

勉強や仕事だけでなく、生活の中でもこれらは該当するので、親や恋人、配偶者などと暮らす場合、家事や家庭でのルールについて、この「発達障害当事者向けの学習特徴」を相手に伝えておきましょう。障害の特性によるトラブルをできるだけ抑えるコツです。